ある分野の市場で生き残っていくためには
その分野での自らの立ち位置を理解し、
それに適した戦略を練っていく必要が
あります。
あなたは、
「ランチェスターの法則」というのを
見聞きしたことがありますか…?
この法則ですが、実はイギリスの技術者、
フレデリック・ランチェスターが
20世紀初頭に発表し、もともとは軍事的な
分析に用いられる“戦闘の法則”でした。
それが、
ビジネスの経営戦略の一つとして応用され
いまでは広く知られるようになりました。
では、そのランチェスターの法則とは
どのようなもので、実際のビジネスで
どう活用していけばよいのか…
そのあたりに迫ってみたいと思います。
ランチェスターの法則の基本的な考え方は、
武器の性能(質)と兵力数が
戦闘力を決めるというもので、
次のように2つに大別されます。
1.ランチェスター第一法則
戦闘力=武器の性能(質)×兵力数
という数式で表され、
古代の原始的な戦いのような
一対一で行われるイメージで、
接近戦、局地戦とも表現されます。
2.ランチェスター第二法則
戦闘力=武器の性能(質)×兵力数の2乗
で表され、こちらは
近代的な戦いの際に用いられるルールで
集団対集団の対戦(銃使用や空中戦など)を
意味し、遠隔戦、広域戦とも表現されます。
いずれの場合も、敵に勝つためには
武器の質で敵を上まわるか、兵力数を
敵より増やせばよいということになります。
特に第二法則に当てはまる戦いでは
兵力数が2乗に作用するため、
数に物を言わした戦闘では
断然有利となります。
ランチェスターの法則を応用した
ビジネス戦略のことを、
ランチェスター戦略といいます。
戦後日本の産業界においても
企業規模の大小にかかわらず
さまざまな会社で取り入れられ、
多くの実績を残していることから
企業の競争・販売戦略のバイブルとも
称されています。
この戦略では市場シェアを判断基準とし、
1位(ナンバーワン)を強者、2位以下は
すべて弱者と定義されます。
1位(ナンバーワン)が強者で
それ以外が弱者なわけですから、
通常小さな会社はほぼ
弱者の立場にたたされるはずです。
では弱者が、企業間の競争、
販売活動で勝つには、どうしたらいいのか?
ここで、先ほどのランチェスターの法則が
活きてきます。
まず第二法則は、数や量で
ほとんど勝負が決まる…といってもよく、
どちらかというと大企業向けであり、
強者のための法則と呼べます。
それに対し第一法則は、数の弱点を
質で補うことも可能なため、弱者の
とるべき戦略は、こちらが該当します。
いかに商品の質を上げて、他との差別化を
図れるか…地域を限定しいかに局地戦に
持ち込めるか…いかにターゲットを絞り、
一点集中で個別に撃退していけるか…
こういった戦略をとることで、
勝利を引き寄せます。
ぜひ、ランチェスターの法則を参考に
オリジナルの勝ちパターンを
導きだしてください。