消費者がある商品やサービスに対して持つ
心理変化を表す購買行動プロセスには
一定の法則があると考えられ、
代表的なものに、AIDMA(アイドマ)や
AISAS(アイサス)があります。
これらの購買行動はどのように起こって、
実際のビジネスで
どう活用していけばいいのか…
今回は、
そのあたりに迫ってみたいと思います。
消費者が何かを買う際、大まかに言って
次のような購買行動の流れがあります。
つまり、「認知(知る)→感情(気持ちが
動く)→行動(購入する)」
この認知、感情、行動の3段階を踏む
購買行動の一連の流れに沿って、
具体的に消費者がどのようにプロセスを
歩むのかを体系づけたものが、
AIDMAやAISASといった法則です。
新旧でいうと、AISASの方が新しく
AIDMAが普遍の法則であるのに対し、
AISASはより時代に合わせた
購買行動モデルと言えます。
2つの法則について、
もう少し詳しくみて行きましょう。
1.AIDMAの法則
1920年代にアメリカ人著作家の
サミュエル・ローランド・ホール
によって提唱された考え方です。
消費者行動の流れである
認知、感情、行動に沿って、
以下の5つの過程から成り立ちます。
・Attention:注意・注目
・Interest:興味・関心
・Desire:欲求・願い
・Memory:記憶・覚え
・Action:行動・活動
すなわち、
Attention(知る)→Interest(興味をもつ)
→Desire(欲しいと思う)→Memory(記憶する)
→Action(買う)
消費者がある商品やサービスを購入する際、
このプロセスに従い、
消費活動が行われるというものです。
ちなみにAIDMAは、この5つの英単語の
頭文字をつなげてこう呼ばれます。
2.AISASの法則
インターネットが普及した現代では、
消費者の購買行動パターンにも
変化が現れ始めました。
このネット社会に合わせ、1995年に
電通によって提唱(商標登録は2005年)
された考え方が、AISASの法則です。
こちらも認知、感情、行動の流れに従い、
次の5つの過程で構成されます。
・Attention:注意・注目
・Interest:興味・関心
・Search:検索・追跡
・Action:行動・活動
・Share:共有・分かち合い
プロセスは、
Attention(知る)→Interest(興味をもつ)
→Search(情報を収集する)→Action(買う)
→Share(分かち合う)
スマートフォンの普及もあり
情報の収集が日常化・簡略化し、
SNSからの情報が購買の意思決定を
左右しかねない現代に、よりマッチした
消費者行動モデルと言えるでしょう。
このAISASの呼称もやはり、上記5つの
英単語の頭文字をつなげたものです。
なお、これらの購買行動モデルには
細部が異なる別バージョンもあります。
今回は国内で最も一般的な2つに絞り、
お伝えしました。
では実際に、これらの法則をどう
ビジネスに活かしたらいいのでしょう?
これまでお伝えしたように、
消費者の購買行動には
一定の流れ(いくつかの段階)があります。
どの段階にいるかで、
消費者心理は変化します。
ですので、ビジネスで最大限の成果を
出すためには、ユーザーが今
どの段階にいるのかを理解した上で
情報発信していくことがとても重要です。
それによって、
(刺さる)言葉やデザイン(見せ方)を
工夫していくことになります。
また、扱う商品やターゲットの年代
などによって、どちら(AIDMAかAISAS)を
活用するのかも、考える必要があります。
何通りでも考えられる購買行動パターンを
いかに効率よく、現実に即したかたちで
戦略を立てられるか…
そのための手助けをしてくれるのが
これら消費者行動モデルの法則です。
ビジネスの節目節目で、ぜひ思い出し
活用されてみてください。